競輪のラインとは?決め方や理由・裏切りや八百長の噂など徹底解説
競輪において最大の見どころであり、勝負を大きく左右するライン。
ラインを知れば知るほど、競輪を楽しむことができ、同時に勝率を上げることも出来ます。
そこで今回は「競輪のライン」を徹底解説!
意味・見方・決め方・予想への活かし方を始め、八百長・裏切りについても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
競輪のラインがなくなる?競輪アドバンスとは【最新情報】
30年以上前から採用され、今や競輪の醍醐味とも言えるライン。
2025年に入り、そんなラインがなくなるのではないかと競輪ファンの間で囁かれるようになりました。
その理由が、2025年から始まった「競輪アドバンス」というレースです。
国際基準のルールを採用しているため、ラインが禁止され、完全な個人戦となります。
そのため、スピード重視になり、スタミナのある若い選手有利になることが想定されるので、競輪選手にとっては長く続けられないというデメリットが。
ただ、選手の実力が表れやすいため、車券購入者にとっては、未経験者や初心者でも予想しやすいという大きなメリットがあります。
懸念点もありますが、新規顧客が集まり採用されるレースの幅が広がれば、長く続いたラインという仕組みが無くなる可能性もあるかもしれません。
競輪のラインとは?
ラインとは、レースを優位に進めるために、複数の選手がチームを組み互いに協力し合うことです。
最速70キロものスピードで走る競輪は、空気抵抗を受けやすく、スピード低下や体力の消耗が激しい競技。
その空気抵抗や後方からの攻めを防ごうと、ラインは組まれます。
ちなみに、ラインが形成されたのは、1988年ごろから。
それ以前は、個人戦で競技が行われていました。
ラインが生まれたきっかけは「中野浩一選手」という驚異的な実力を持っていた選手が、レースを総なめにし、対等に戦える選手がいなかったことから。
そこで、周りは何とか中野浩一選手に勝とうと、一致団結して互いに連携をし始めます。
この連携が全国的に広まり、ラインができました。
ラインによるレースの種類
様々な形で組まれるラインですが、大きく4種類のパターンに分けられます。
名前 | ラインの数 | 並び | 出現頻度 | 予想難易度 |
---|---|---|---|---|
先行一車 | 1つ | 1車‐8車 | 稀 | ★ |
二分戦 | 2つ | 4車‐5車 | 少 | ★★ |
三分戦 | 3つ | 3車‐3車‐3車 | 多 | ★★★★ |
四分戦 | 4つ | 3車‐2車‐2車‐2車 | 中 | ★★★★★ |
ラインの数に応じて、上記のように呼ばれています。
ちなみに、四分戦はラインの数が多いことから、細切れ戦とも呼ばれることもあるため、頭に入れておくと良いでしょう。
出現頻度としては、先行一車や二分戦となることはめったになく、一番多いのは三分戦です。
三分戦は、特にラインの総合力がレースに影響するため、競輪の醍醐味を味わうことが出来ます。
ライン内の役割
レースを優位に進めるため、お互いの強みを発揮できるポジションにつき、それぞれの役割を果たします。
- 自力選手(先頭):仕掛けるタイミングを決めて優位な位置取りをする
- 番手選手(後方):後方から仕掛けてくる選手をブロックする
自力選手は、ラインの先頭に立つ先導役。
自分のラインが最も力を発揮できるベストなタイミングを狙い、先頭に出ようと仕掛けます。
また、風を受けるため、脚力に自信がある選手が務めることが多いです。
番手選手は、自力選手が存分に力を発揮できよう、後方からの仕掛けを防ぐ防御役。
ラインが3人で組まれる場合は、2番手が外側・3番手が内側からの仕掛けをブロックして常に優位な位置を取ろうとします。
ブロックが激しい選手は、体や頭を使って相手選手を牽制するほどです。
競輪のラインの組まれ方
競輪のラインは、絆が強い選手同士で組まれます。
最も組まれやすいのは、同じ競輪場で練習する選手。
その理由は、普段から関わることも多く、お互いの走りのクセもわかっているため、より連携しやすいからです。
ただ、同じ競輪場で練習をする選手と同じレースに出走する機会は少ないため、同じ地区や隣接地区の選手と組むことが大半。
そのため、どの都道府県に所属する選手がどの地区になるのか覚えておきましょう。
北日本 | 北海道・青森・秋田・岩手・山形・宮城・福島 |
---|---|
関東 | 茨城・栃木・群馬・埼玉・東京・山梨・長野・新潟 |
南関東 | 千葉・神奈川・静岡 |
中部 | 石川・富山・三重・岐阜・愛知 |
近畿 | 滋賀・京都・奈良・大阪・和歌山・福井・兵庫 |
中国 | 鳥取・島根・広島・山口・岡山 |
四国 | 香川・高知・愛媛・徳島 |
九州 | 佐賀・長崎・大分・熊本・宮崎・福岡・鹿児島・沖縄 |
上記8つに分けられた地区ごとに所属する都道府県が決まっています。
同地区なのか、隣接地区なのかが分かれば、そのラインの繋がりの強さを判断することが可能です。
ラインを組まない選手もいる
競輪は、基本的にラインを組んで走りますが、中には単独で走る選手もいます。
いわゆる、単騎と呼ばれる選手です。
単騎には主に、以下のようなメリット・デメリットあります。
- ライン同士が先行争いでやり合った隙に、捲りを決めやすい
- 後ろに選手を連れていないため、自分の好きな動きや位置取りをすることが可
- ブロックする選手がいないため、先行しても捲られる可能性が高い
- 少しでも位置取りに失敗すると最後方においていかれる
- 自由に動ける分、周りの動きや展開に左右されやすい
いくつかのメリットがありますが、デメリットの方が多いため、基本的にはラインの方が勝ちやすいとされています。
ただ、グランプリ(2012)を制した村上義弘選手や、全日本選抜(2019)を制した中川誠一郎選手など、単騎で大きな大会を制した選手もいるのも事実。
そのため、実力や調子が伴う場合は、十分に車券に絡むこともあります。
ガールズケイリンはライン禁止
男子競輪と違い、ガールズケイリンはラインが禁止されています。
その理由は、ガールズケイリンのルールが、国際競技である「ケイリン」を模倣したものであるからです。
より厳しいルールが設けられており、ラインのブロックに当たる、横の動きなども制限されています。
よって、ガールズケイリンは完全な個人戦。
それぞれの実力・調子・相性のみがレースに反映されるので、男子競輪よりは予想がしやすいです。
そのため、堅実狙いの方は、ガールズケイリンに絞って勝負するのも1つの手でしょう。
競輪のライン内で裏切りはめったにない
競輪のラインにおける裏切りとは、事前に組むと約束したラインから離脱し、違うラインに入ること。
競輪には、事前に他のラインを狙うことを公表する「競り」という作戦がありますが、競りとは違い急にラインを変えることを言います。
そんなライン内での裏切りですが、実は過去の競輪を見てもほとんど起きたことはありません。
その理由は、暗黙のルールとして「最終直線までライン内での役割を果たさなけらばならない」ということが決まっているからです。
裏切りをしてしまうとチームからの信用がなくなり、ラインを組めなくなるので結果的に自分の首を締めることになります。
ただ、八百長と違い罰則があるわけではないので、以下の場合はライン内での裏切り行為が起きることも。
- 繋がりが薄い選手とのライン
- 引退間近の選手
そのため、競輪で勝負する際は、念の為ラインの繋がりの強さをチェックしておくと良いでしょう。
競輪のラインは八百長とは言えない
競輪は、ラインを組む際に、同じラインの選手同士で、それぞれの攻め方や全体の動きについて事前に作戦を練ります。
その際に誰を勝たせるか決めることも可能なため、ラインという仕組み自体が八百長なのではないかと言う意見もありますが…。
あくまで、自分が走りやすくするためや、グレードレースで勝つための戦略の1つなので、八百長とは言えません。
- 先輩・後輩で組む際にお世話になっている先輩を勝たせることがある
- 決勝に仲間を多く連れて行くため、仲間を勝たせることがある
- グランプリに仲間を連れて行くため、G1を優勝させることがある
加えて、公営ギャンブルにおける八百長とは、選手と車券購入者の間で連絡を取りあい、わざと負けて、特定の車券購入者を意図的に稼がせる行為。
ラインは選手間同士のみの話し合いによって攻め方を変えているだけなので、八百長の定義にも当てはまりません。
そのため、実際に、70年以上歴史がある競輪ですが、八百長が認められ、選手が罰則を受けた例はないです。
ちなみに、もし八百長をしてしまった場合には失格・契約解除といったかなり思い処罰が課されます。
選手生命が終わる危険性や、ラインを組む同地区の選手に迷惑をかけることになるので、今後も八百長をする選手はでてこないと考えられるでしょう。
競輪のラインの見方と予想への活かし方
競輪のラインに関する概要を覚えたところで、予想する際の見方やポイントを紹介します。
- ラインごとの人数を確認
- 所属地区から繋がりの強さを確認
- 自力選手の強さを比較
- 平均競争得点を比較
強いラインを見極めることができれば、そのラインにいる選手を軸にすることで、勝率が上がります。
競輪を始めたばかりの方でも分かるよう、1つずつ詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。
ラインごとの人数を確認
まずは、それぞれのラインに含まれる人数を確認し、より長いラインに注目。
長いラインは、番手選手が多いため後方からの攻めを防ぎやすく、一度先行してしまえば先頭をキープし、車券に絡むことが多いです。
ちなみに、ラインの数が少ないレースほど、人数がレースに影響します。
そのため、2分戦は長いラインの選手で買い目を作るだけで、勝率を上げることが可能です。
平均競走得点を比較
ラインの長さを確認したら、それぞれのラインに含まれる選手の競争得点を確認。
平均競争得点が高いほど、ラインの総合力が高く、攻め・防御どちらも上手く勝ちやすいと判断しましょう。
さらに、平均点が高いラインが最長のレースは、高確率でスジ決着となります。
選手を絞りやすく当てやすいので、堅実に狙いたいという方は、積極的に探してみてください!

自力選手の強さを比較
人数と競走得点を比較した後は、自力選手に注目。
自力選手が強いラインほど、攻めるタイミングが上手い・先行力が高いため、勝ちやすいと覚えておきましょう。
見るべきポイントは、脚質・競走得点・B回数の3つ。
まずは脚質を見て、ラインが攻めるタイミングを把握します。
続いて、競争得点・B回数から、どのラインが良い位置を取れるか確認しましょう。
その際に、自力選手が強くても、番手選手と5点以上の差がある場合は、要注意。
番手選手がついていけず、ラインが機能しなくなるので、次に自力選手が強いラインを買い目に入れるようにしましょう。
所属地区から繋がりの強さを確認
上記3つを見れば、ほとんどのレースで強いラインを見極めることができますが、稀に判断できないレースもあります。
その際は、ラインに含まれる選手の所属を確認して、繋がりの強さを確認しましょう。
ラインを組んで走ることが多い「同じ練習場・同じ府県の選手」が多いほど、息を合わせてレースを走ることができます。
そのため、仕掛けるタイミングやブロックの連携が上手く、車券に絡みやすいと覚えておきましょう。
加えて、開催場と同じ府県のラインがいた場合は、走り慣れた選手が多く勝ちやすいので注目です。
【競輪場別】ラインで決まる確率一覧
競輪のラインで決まる(スジ決着)確率は、48.39%もあり、半数ものレースがライン内の選手で決着しています。
そのため、ラインを比較して、群を抜いて強いラインがいるレースは、ライン内で決着することがほとんどです。
加えて、ライン内決着となりやすい競輪場の場合、さらに確率が上がります。
競輪場ごとのライン内決着割合は以下の通りです。
▶400mバンク
順位 | 競輪場名 | スジ | スジ違い |
---|---|---|---|
1位 | 佐世保 | 53.29% | 46.71% |
2位 | 青森 | 53.08% | 47.92% |
3位 | 松山 | 52.01% | 47.99% |
4位 | 西武園 | 51.48% | 48.52% |
5位 | 取手 | 49.87% | 50.13% |
6位 | 別府 | 49.73% | 50.27% |
7位 | 大垣 | 49.58% | 50.42% |
8位 | 松阪 | 49.22% | 50.78% |
9位 | 川崎 | 49.08% | 50.92% |
10位 | 弥彦 | 49.06% | 50.94% |
10以下はこちら | |||
11位 | 小倉 | 49.05% | 50.95% |
12位 | 静岡 | 49.00% | 51.00% |
13位 | 久留米 | 48.84% | 51.16% |
14位 | 広島 | 48.59% | 51.41% |
15位 | 玉野 | 48.52% | 51.48% |
16位 | 岐阜 | 48.52% | 51.48% |
17位 | 豊橋 | 48.43% | 51.57% |
18位 | 名古屋 | 48.32% | 51.68% |
19位 | 平塚 | 47.84% | 52.16% |
20位 | 岸和田 | 47.80% | 52.20% |
21位 | 福井 | 47.50% | 52.50% |
22位 | 向日町 | 47.35% | 52.65% |
23位 | 武雄 | 47.31% | 52.69% |
24位 | 函館 | 46.81% | 53.19% |
25位 | 小松島 | 46.00% | 54.00% |
26位 | 高松 | 45.56% | 54.44% |
27位 | 四日市 | 45.55% | 54.45% |
28位 | 京王閣 | 45.46% | 54.54% |
29位 | 立川 | 45.26% | 54.74% |
30位 | いわき平 | 44.86% | 55.14% |
31位 | 和歌山 | 44.69% | 55.31% |
▶333mバンク
順位 | 競輪場 | スジ | スジ違い |
---|---|---|---|
1位 | 奈良 | 52.66% | 47.34% |
2位 | 前橋 | 52.06% | 47.94% |
3位 | 伊東 | 51.76% | 48.24% |
4位 | 松戸 | 51.65% | 48.35% |
5位 | 小田原 | 51.22% | 48.78% |
6位 | 防府 | 48.95% | 51.05% |
7位 | 富山 | 47.82% | 52.18% |
▶500mバンク
順位 | 競輪場 | スジ | スジ違い |
---|---|---|---|
1位 | 高知 | 46.99% | 53.01% |
2位 | 宇都宮 | 44.80% | 55.20% |
3位 | 千葉 | 44.69% | 55.31% |
4位 | 大宮 | 42.16% | 57.84% |
スジ決着となりやすい競輪場かつ、強いラインが1つしかないレースを選べば、軸を絞りやすいです。
簡単に勝率を上げることができるので、初心者の方はぜひ参考にしてください。
競輪のラインまとめ
今回紹介した競輪のラインについてまとめました。
- ラインは全部で4種類
- 自力は風よけ、番手は後方の仕掛けをブロックする
- 絆が強い選手同士でラインを組む
- ガールズケイリンはライン禁止
- ラインに八百長や裏切りはほとんどない
- 長いラインが強い
- ラインの数が多いほど荒れやすい
ラインは、競輪で勝負するうえで、最も大事な要素。
ラインを詳しく知ることで、今よりも格段に予想精度を上げることが出来るので、しっかり押さえて勝負しましょう。
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